自己分析のやり方

自己分析のやり方【Step5】キャリア選択で重要な自分の価値観について考える

hiromichi

HR業界で18年以上就活生の支援をしていると、
就活生から、

  • 「自分の価値観にあう会社に入社したい」
  • 「価値観にあうストレスのない社風の会社が知りたい」
  • 「個人の性格や価値観を重視してくれる会社に入りたい」

という言葉を数百回以上は聴いてきたのですが、同じようなことを考えたことはありませんか?

時代的にも、個人の”個性”や”価値観”を大切にする生き方やキャリア選択を考える人は多いですし、とても大切な考えだと思います。

ただ一方で、自分の大切にしている「価値観」が何かわからない方や、わかっていないまま闇組に就活を行い苦戦や後悔している学生の話を聞くことも多いのが事実です。

自己分析のやり方Step5ではあなたのキャリア選択につながる価値観について考えていきます。終わったあとに、今後の就活に活きる考えをもっていられるようにワークに取り組むことをオススメいたします。

自分の価値観に合う会社に入りたいです!

あかり
あかり

大切にしている価値観を教えてもらえますか?

リオン
リオン

それは、あれです・・何と言えばいいのでしょうか・・涙

あかり
あかり

そういう方も多いので安心してください。価値観について言葉でまとめていきましょう。

リオン
リオン

自分の大切な価値観とは何か

あなたの価値観を言葉で説明できますか?

就活をするうえで、頭の中では「この考えが大切」「この価値観を重視したい」と何となくぼんやりしたものはあるものの、キャリアや企業選択をする際に何を重視しているかと聞くと、

なぜか、

  • 「大手企業に入社したいです」
  • 「福利厚生が充実している会社が良いです」
  • 「初任給が高い会社が良いです」

と、自分の価値観ではなく会社のブランドや条件で企業選びをしている方や、志望企業を説明してくれる方が多いように感じます。

ここで伝えたいのは企業選びを「企業規模や条件面で行ってはいけません」ということではなく、自分自身の「価値観」を理解したうえで、企業選択や選考に臨んでほしいということです。

理由は、大手企業に入社したいのであれば、大手企業の入社条件(求められている考え方・価値観)をもっていることが必要不可欠ですし、スタートアップのベンチャー企業に進みたいのであれば、その企業の入社条件(求められている考え方・価値観)に当てはまる人材であることが必要です。

就職活動は、学生と企業の双方の価値観のマッチングが非常に重要であり、そのマッチ度の高い相手(企業)を選ぶ活動でもあります。それを行う前提で、自分自身の価値観を明確にしておくことは、Step1「自己分析何からやるの?という人向け【Step1】「働く目的を明確にする」やり方」でも明確にしたように「働く目的」と同様に重要なことなのです。

価値観について考えるワークの事例

実際に価値観について知る自己分析ワークに着手する前に、先に解説をします。
下記のピラミッドのように、枠の中に価値観を書き入れていきます。

準備物

  • 小学生時代から現代までの棚卸し作業を行った結果
  • 価値観ピラミッド記述用シート

書き方の事例
・価値観を単語で表します
・もし難しいと感じる場合は。エピソードから価値観を探ります

大切なのは自分が心地よかった時代

このとき注意していただきたいことがあります。
たとえば、小学生時代の価値観が「サッカー」、中学校が「バスケットボール」、高校では「野球」という書き方をする人がいます。いうならば、スポーツ大好き少年で、“サッカー一筋”“バスケットボールー筋”、”野球命”というタイプの考え方です。

しかし、このような書き方では大学卒業後の将来の仕事がスポーツ選手でない限り、せっかくここまでやってきた地道な作業を活かすことができなくなります。
そこで、下記のような書き方の工夫をしてください。

小学校サッカー自分がシュートを決める自分が一番=自分本位
中学校バスケットボール自分がシュートを決める自分が一番=自分本位
高校野球ホームランを自分が打つより次につなげることが大切協調性

”サッカー”という単語ではなく、内容を上記のように表現できれば、小学校・中学校時代は、どちらかといえば「自分本位」、自分が主役でありたいという価値観が見えてきます。

そんなあなたが、高校生になっても価値観が同じなら、野球部でもホームランを打つことだけにこだわったでしょう。

しかし、このケースでは、自分がホームランを打つことではなく、野球は自分だけが主役ではなく、全員で頑張ることが大切だと気がついたあなたは、チームワークの重要性がわかったということです。つまり、「協調性」が芽生えてきたと言えます。

その後の大学生活では、いかがでしょうか。高校時代の価値観は、変わらずまっすぐに伸びていますか。それとももう一度、自分本位の価値観に戻っているのでしょうか。

どちらが良い悪いということではありません。この価値観は、あなたがこれからの仕事を選んでいく上で、非常に重要な判断基準になります。

協調性がさらに大学生活で伸びたならば、あなたが大学を卒業後、選ぶ仕事は、自分本位で活動する職種ではなく、協調性をより発揮できる仕事であるほうが向いていると言えます。

仮に、大学までのそれぞれの価値観が、いずれにも共通しないバラバラのものであったとしたら、“いつの時代があなたにとって一番心地よかったか”をよく考えてみることが大切です。

いくつもの経験を経て、知らず知らずのうちに本来持っていたあなたの価値観が、周囲からの影響を受けて変わらざるを得なかったとしたら、あなたには不本意であったとしても、そのときその瞬間、いろいろな価値観を体感し、見てきたことになります。

つまりあなたは、しかったことや辛かった経験を通して、努力や工夫をしながら成長してきたということです。

すべての価値観が違うこのようなケースでも、それぞれをしっかりと振り返ることで、いつの自分が一番自分らしくて、心地よかったのかがわかれば、それを大学卒業後の自分の将来像に結びつけることもありですよね。

だからこそ、それが、あなたがこれからをどう生きていきたいかを考えるヒントになるのです。

価値観を抽出する方法

それでは、さっそくワークに取り組んでみましょう。小学生時代から順に考えていきます。

各時代で、あなたが一番大切にしていた価値観は何ですか?
 最後にピラミッドの頂点にもっていきたい価値観を書き入れてください

①小学生時代から現在までで、”自分を変えた”大きな出来事は何ですか?



②現在の社会情勢に対して、一番興味や関心のあることは何ですか?



③あなたにとって人生の価値観は何ですか?



④あなたにとって辛いこと、決して”やりたくない”ことは何ですか?


価値観を言葉でまとめる方法

上記の「価値観プラミッド」ワークの補足していきます。
それぞれの項目についてしっかり考え、それを文章にしていきましょう。

1小学校時代から現代までで、自分を変えた大きな出来事は何ですか?

「ありすぎて書ききれない」という答えは、はっきり言って手抜きです。
先に書いた価値観のピラミッドをじっくり見て、変化したとき、あるいは、変化せざるをえなかったとき、そのときあなたに何があったのかをしっかり思い出し、文章にしていきます。

2現在の社会情勢に対して一番興味や関心のあることは何ですか?

例えば、朝、同じニュースを友人や家族と見たとします。

あなたが興味を持ったトピックに、全員が同じように興味関心を引くでしょうか。おそらく、必ずしもそうではないと思います。人によって興味関心の持ち方が違うからです。

だからこそ、今あなたが最も関心のあるニュースや出来事からも、人とは違うあなたの価値観らしきものが見えてきます。

書くべきことは、トピックだけではなく、なぜその記事、そのニュースに関心があるのかという理由づけまでが必要です。

3あなたにとって人生の価値は何ですか?

先に書いた価値観のピラミッドの頂点にくるものを書きます。もちろん結論だけでなく、その理由が大切です。

4あなたにとって辛いこと、決してやりたくないことは何ですか?

例えば、「ノルマが課される営業」「社会貢献度が低い仕事」「経験やスキルがほとんど活かせない仕事」「昇給や福利厚生の制度が整っていない会社」など、率直にあなたが嫌だと思うことを書いてみましょう。

「働き方改革」により働く環境が少しずつ改善されつつあること、コロナ禍の影響でテレワークの導入や副業を認める企業も出てきてはいますが、まだまだ温度差があります。

あなたが就職したあと迷わないために「辛いこと・やりたくないこと」を先に考えておきます。

嫌なこと・絶対にやりたくないことからも見えてくる

入社後2~3年未満で退職する早期離職者の問題について。今や転職が肯定される時代でもあり、あなたが本気で考えた結果であれば全く問題ありません。


しかし「頑張ろうと思ったけど、こんなはずではなかった」という自己都合による退社理由が少なくなればいいと願います。このような気持ちは転職しても常につきまとう考え方だからです。

退職・転職する理由が「頑張っても評価されにくい会社だから」「仕事を通してやりがいや達成感が得られない仕事だから」
という人も多いようです。

”希望の会社だと思ったのに・・・・・”まさにミスマッチが原因ともいえます。

だからこそ、率直にあなたが考える「嫌なこと、絶対にやりたくないこと」から見えてくる価値観をも明確にしておけば、自分に合った仕事を選り分けることもできますし、就職してから失敗するリスクも、もしかしたら未然に防ぐことができるかもしれません。

あなたのより良き未来のために、ここまでしっかりと今の自分の気持ちを書いておきましょう。

まとめ

就職活動は、自分の価値観と企業が組織として大切にしている価値観(考え方、社風)とのすり合わせを行い、双方の価値観のズレをなくす作業です。

ここまで小学校・中学校・高校・大学そして現在と振り返り、棚卸しをしてきた内容を活かして、あなたが大切にしている価値観を認識できるようになっていると思います。大切にしている価値観がわかっていると、自分が自分らしくいられる組織や仕事が見えてくるはずです。

そうすることで、自分の価値観を理解しながら、企業選びやファーストキャリア選択を自信をもってできるようにしていきましょう。

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リオン
リオン
HR業界19年|上場HR企業のGM
HR業界19年|上場HR企業でGMとして現役就活生支援&企業コンサルティングの部門を統括。国家資格キャリアカウンセラー、ストレングスコーチ、7つの習慣の資格をもち全国の就活生支援を行っている。また、企業人事向けセミナーや300社以上の採用コンサルティングに従事しており、就活生と採用人事側双方の視点をもちながら人と組織の成長を支援している。
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